さぁ!今日もはりきって勉強しましょう。
勉強は何回忘れても繰り返すことが大事だと言われています。ですので、繰り返し繰り返し同じ試験問題やテキストを読み込んで脳みそに染み込ませていきましょう。
第36回
問題1
Aさん(76歳、女性、要支援1)は、一人暮らしである。週1回介護予防通所リハビリテーションを利用しながら、近所の友人たちと麻雀を楽しみに生活している。最近、膝に痛みを感じ、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断された。同時期に友人が入院し、楽しみにしていた麻雀が出来なくなった。Aさんは徐々に今後の生活に不安を感じるようになった。ある日、「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの…」と介護福祉職に話した。
Aさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 要介護認定の申請を勧める。
2 友人のお見舞いを勧める。
3 膝の精密検査を勧める。
4 別の趣味活動の希望を聞く。
5 生活に対する思いを聞く。
さぁ。回答を見ていきましょう。
1 誤りです。
自宅で生活を続けたいとの思いがあるし、さらに、介護認定が必要になるほど困っている状態はこの事例からは見受けられません。そこで介護認定の申請を勧めてしまうと、より心に大きな影響を与えてしまいかねません。
2 誤りです。
まだ本人がどのように生活を続けたいかについて話をしていません。そういった状態で友人のお見舞いを勧めるのは優先すべきではありません。
3 誤りです。
こちらも同様です。ひざの痛みを訴えていはいますが膝の精密検査を勧める時期ではありません。本人の思いをまずは傾聴する必要があります。
4 誤りです。
本人は近所の友人と麻雀を続けるのが楽しみで生活を送っています。そうした生活に不満をもってはいないので別の趣味を探すことは不要です。
5 正解です。
まずは本人に趣味や友人、生活のリズムなど様々なことに対しての思いを確認することが第一です。こちらの情報をもとに設問1、2、3、4を勧めることが必要です。
問題2
次の記述のうち、介護を必要とする人の自立についての考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自立は、他者の支援を受けない事である。
2 精神的自立は、生活の目標をもち、自らが主体となって物事を進めていくことである。
3 社会的自立は、社会的な役割から離れて自由になることである。
4 身体的自立は、介護者の身体的負担を軽減することである。
5 経済的自立は、経済活動や社会活動に参加せずに、生活を営むことである。
続いて回答を見ていきましょう。
1 誤りです。
自立は、その人の生活において誰からも何も援助や支援を受けない事ではありません。支援を受けながらも、適切なサービスを選択しながら、本人が主体的に様々なことを選択しながら生活していくことが自立ということが出来ます。自立=誰からの支援も受けないということではないということを理解しておいてください。
2 正解です。
選択肢の通りです。精神的自立とは、自分が主体となって様々なことに取り組んでいくといったことです。
3 誤りです。
社会的自立は、社会から離れるのではなく、社会に対しての何かしらの役割をもったり、社会活動に参加したりして、社会の一員として自立していることを示します。
4 誤りです。
身体的自立は、身体的動作を自分で行うことが出来るかどうかです。結果として介護者の身体的負担が軽くなるのかもしれませんが、身体的自立の目標はそこではありません。
5 誤りです。
経済活動から離れる事ではなく、経済的に自分で収入を得て、自分で考えて経済活動を行うことが出来るといったことです。
※自立とは全てにおいて共通して言えることですが、人の手を全く借りないということではないということだけ覚えておいてください。そういった支援を受けながらも適切な時に適切な支援を受けながら、自分で考えて、自分の思いを主張しながら生活を進めていくことにその特徴があります。
人間の尊厳と自立 ポイント
この単元のポイントは、過去の出題傾向から、日本国憲法第25条の生存権、老人福祉法や社会福祉法、障害者基本法、障害者総合支援法、障害者差別解消法などの法律の目的や理念が問われているとのことです。
そして、この単元では「自立」と「自己決定」「エンパワメント」の概念を覚えておきましょう。
この単元は比較的簡単で、人間的にやっていいことと悪いことが適切に理解できていればそこまで大きな間違いや全く分からないといったことも少ないでしょう。
そこでも覚えておいた方がよいかと思う内容についていくつか示しておきます。
糸賀一雄は、知的障害児・者の福祉の理論と実践により、近江学園やびわこ学園を創設しました。
著書には「この子らを世の光に」があります。
さらに、
フランクルの「夜と霧」「死と愛」はナチスの強制収容所アウシュビッツ体験から生まれた著書です。
リッチモンドは「ソーシャル・ケース・ワークとは何か」を示し、社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。ケースワークの母と呼ばれています。
メイヤロフは、アメリカの哲学者で「ケアの本質」を著しました。この本は翻訳が少しわかりにくく、そのわかりにくさにこそそのメイヤロフを理解するために読者が丁寧に理解をしなければならないことからより深く考えさせる本として有名です。
これらを中心にまずは覚えておくことが大切でしょう。
おわりに
今回はこの人名を中心に示しましたが、次回はノーマライゼーション、エンパワメントについて話を進めていきたいと思います。
これか勉強される方にとっては、こんなことを理解すればよいのだなといった感じで考えていただけると幸いです。
※この記事にはアフィリエイト広告を含んでおります。
コメント